スポーツ障害(野球の投球障害、サッカーなど)

スポーツ障害とは

スポーツにより靱帯、腱、筋肉に過伸展力などの微外傷が繰り返し加わり、慢性の疼痛を生じる疾患群をスポーツ障害と呼びます。多くはオーバーユース症候群(使いすぎ症候群)。この状態を放置して無理にスポーツを続けていると、靱帯断裂などのスポーツ外傷に陥ってしまうことがあるので早期発見、早期治療が大切です。スポーツ障害治療の目的は、予防医学であり、現在の痛みを解消するだけではなく、同じような痛みが再発しないことです。

流れ

問診

診察  

測定・検査(理学療法士) ・疼痛部位の確認 ・メディカルチェツク  など

治療開始

@急性疼痛の場合


運動制限、運動を休止することで痛み緩和させる。 (休止は治療の準備段階。そこから始まるストレッチ、運動指導が治療の主体となります。

物理療法:電気療法ハイボルテージ、超音波、アイシングなど物理療法施行

関節の動きに問題あれば、理学療法士による徒手治療施行

A安静時の痛みなくなる。運動すると痛む 

・治療しながら再発予防、発生要因の解消をしていきます。(重要。
下記発生要因を探してなおしていくことが治療となります。) 

発生要因

対策

子供の成長期

メディカルチェツク

成長期の子供では前屈などで全身の弛緩性をチェック。柔軟性など不足しているようであればストレッチングを実践指導し、関節にかかる過伸展力を軽減させると共に、ストレッチの重要性を認識させ、準備運動不足を解消させます。特に、大腿四頭筋の硬さは、うつ伏せにして踵とお尻の距離が10cm以上離れているとけがしやすいです。

形態異常

過回内足、外反母趾、扁平足などの異常を発見する。インソール効果的

※子供と大人の違い

@
軟骨が多い・・・骨化が少ない A骨端線の存在・・・軟骨形成、成長で骨化 B筋力が弱い・・・疲労しやすい C骨が弱い・・・不全骨折 D筋腱アンバランス・・・骨成長よりも腱の筋肉量が少ない 伸びが間に合わない

練習量の増加による体の負担

 筋肉疲労

オーバーユースによる
筋肉疲労が主要因である場合には電気治療なども効果的です。最初から痛みが軽度の場合は発生要因の解決治療に取りかかります。

 練習量

練習メニューの中で、現在、制限する練習としない練習をわけて、練習量、練習内容についても指導を行います。

 体のケア不足 患部外であれば、ホグレルで肩甲骨 股関節の体の使い方を指導

試合連戦あれば練習終了後、ストレッチ指導など行う(2分間)。 リハビリ室では、柔軟性改善目的でHOGREL指導。

ホグレル使用しての肩甲骨、股関節の柔軟性の改善目的(例、サッカー選手)
ステップ、キックなどの動作は、股関節の柔軟性が必要です。柔軟性の低下はスポーツ障害の原因となりますので、体の硬い選手は早めの改善が必要です。サッカーはインサイドキックを多用します。足を外転外旋してボールをける動作が身についていて、内旋の可動域が狭い選手が多いのでインナーサイやレッグプレスで可動性を増やすこともおすすめです。 肩甲骨周りが柔軟性にとんで動かしやすくなると、ドリブルのフェイントのきれがでたり、スローインもしやすくなります。ディッピングやマルチスローがおすすめです。

フォーム指導

身体の使い方指導

柔軟性が低下して、フォームが崩れます。身体の使い方指導

野球肘少年の場合、タオルを使ってシャドウピッチングを行わせ、正しい腕の回し方・腰の落とし方・回転軸などを教え、肘だけの使いすぎた間違ったフォームを修正する。

膝が痛いサッカー少年では、重心が前の位置にあり大腿四頭筋が優位となり、痛みが出やすい。 

軸足の位置、重心の位置などを正し、パワーポジションを指導。股関節から主導するなど、膝が痛くならない正しい運動方法を身に付けさせます。

グランド環境

走る場所は土の上か、アスファルトの上かなど、道具、環境についても改善されるよう指導を行います。

シューズ・インソール作製

靴をチェックし、大きさが合っているか、靴の減り方に左右差がないか、あれば、インソールも検討する。 当院オリジナル スポーツインソール

インソール について
 サッカースパイクは、トレーニングシューズよりも、足への衝撃(突き上げ感)が大きく、練習後にカカトが痛くなる選手が多いです。特に成長期のサッカー選手は13歳ころまで土踏まずの形成が未発達だという報告があります。土踏まずが出来ていない足でスパイクをはいて練習しているのも一つの原因です。シーバー病、オスグッド病などスポーツ障害の予防にインソールがおすすめです。

特徴
・カカトへの衝撃による痛みを和らげるために、カカト部分にパッドを入れ後足部への障害に対応しています。
・内側・外側アーチパッドを入れることにより、安定性が向上し、踏ん張りやすくなります。捻挫防止にもなります。
・つま先を3mm、カカトを高くしているため、自然な前傾姿勢になりやすく前への推進力が向上。動きやすくなります。
・インソール表面は、光触媒加工された表面で使用後、日光に当てれば消臭・抗菌の働きをします。
 
希望の方は、足のサイズ計測が必要なため、当院リハビリ室にスパイクをご持参のうえ、お気軽にご相談ください。治療 リハビリ希望の方は医師の診察が必要です。




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